ヨーロッパの歴史

ヨーロッパの歴史

 

<ヨーロッパのルーツのなったエーゲ文明>

 ヨーロッパのルーツとなった文明は、地中海のエーゲ海で生まれた。エーゲ文明と言われています。さらに、エーゲ文明はさらに前期のクレタ文明と後期のミケーネ文明の二つに分けられます。

海洋民族が作ったクレタ文明

 紀元前20世紀頃に、クレタ島クノッソスを中心に生まれた文明をクレタ文明と言います。クレタ文明は海洋民族によって地中海の海上貿易で栄えました。クノックスで見つかった王宮はギリシャ神話に出てくるミノス王によるものであるとされたため、クレタ文明はミノス文明とも呼ばれる。

クレタ文明を滅ぼしたミケーネ文明

 紀元前1600年頃にギリシャのミケーネ地方で誕生した文明をミケーネ文明と言います。ミケーネ文明はギリシア人(アカイア人)によって構成されています。ミケーネ文明はクレタ文明を滅ぼし海上貿易ルートを引き継ぎます。ミケーネ文明では、2004年に上映された「トロイ」のモチーフとなったトロヤ戦争でも有名です。

 

 <ギリシヤ文明の誕生>

暗黒時代ののちに誕生したギリシヤ文明。

 エーゲ文明の崩壊後、約400年間に渡って、実態の不明な「暗黒時代」に差し掛かります。この400年は現在でも多くのことがよくわかっていません。そして、そして暗黒時代が明け、紀元前8世紀ごろから古代ギリシア人たちによって、ポリスと呼ばれる都市国家が多数作られるようになります。ポリスは一般的にアクロポリスと呼ばれる丘の上に神殿が作られ、アクロポリスの麓にアゴと呼ばれる広場ができて、その周りに裁判所や評議場が作られ、生活の中心となりました。ポリスには貴族・平民・奴隷の3つの身分があり、当初は政治を行うのも戦争に行くのも貴族でした。

民主主義の生まれたギリシア

 たくさんあったポリスの中でも最も規模の大きかったアテネでは民主政治の基礎が作られます。元々は貴族が政治を独占していましたが、アテネの商業が発展し、平民が経済力をもち重装歩兵として戦争に参加するようになると、平民が政治参加を求めるようになりました。それにより、少しずつ民主政治が作られていきました。

 初めにドラコンという人物が立法することにより、貴族による法の独占を防ぎました。次にソロンが納税額によって4つに分け、納税額によって段階的に参政権を与える財政政治を行います。その後、ペイシストラトスが武力でアクロポリスを占拠して僭主(意味:独裁者)政治を行うようになります。僭主政治によって貴族と平民の立場に差がなくなったことで、相対的に平民の立場が向上しました。しかし、僭主政治は弊害が多かったため、クレイステネスが僭主の出現を防止するために陶片追放を行うようになります。また、アテネを地域ごとに10の部族に分けて各部族から50人、合計で500人からなる評議会を設置しました。そして、ペリクレスの時代に成年男子市民全員に参政権のある民主政が完成しました。